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言葉と対話からはじまる音楽 —「シェフ大山の秘密のレシピ 〜音が音楽になるまで〜 Vol.4」レビュー—

まずはとりあえず合わせてみましょうか、ということで、チューニングののち今回の楽曲が一通り演奏される。
今回取り上げるのは、ブラームス作曲『弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調 作品67』より第2楽章。
緻密さ、重厚さという言葉で語られるブラームスが、これ以上ないシンプルな形式で表現された作品だ。
要するに、とんでもなくむずかしい。

 

 

「この曲は、4つの偉大な交響曲が作られた直前の時期に書かれているんだよね。シンフォニック(

交響楽的)な思いがただよっている曲だと思う」(大山平一郎, Va/Music Dialogue 芸術監督)
筆者の大好きな曲のひとつだが(ちなみに将来は地元にブラームスの流れる喫茶店を作りたいと思っている)、自分で弾けと誰かに言われたら、「なぜ私に弾けると思ったのか」と、逆にそいつを問いただすだろう。
それを初合わせでさらっと合わせられてしまうんだから、なるほどプロはすごい。
でも、音楽のあいまあいまに、疑問符のようなものが感じられる。
互いがどう動くのかを探り合って(弾きながらそれが出来るがとんでもなくすごいんだけれど)、その結果、要所要所で「おやぁ?」と微妙なズレが産まれている。はじめてのデートであれば致命的な事態である。
これをどんな風に調整していくんだろう……プロのものづくりを、観客全員がワクワクしながら待ち構える。
リハーサルは、ここからが本番である。

 

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PROFILE

佐藤宗大

栃木生まれ、京都在住。ブラームスの流れる喫茶店を開きたい。

https://twitter.com/T_Sato_0626

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