ESSAY

猫になりたい?

猫ってふしぎな生き物だなあ。
と、飼い猫を見ながら いつも思う。

 

だって、彼ら、ホンッとになんにもしないからね!
寝て、エサ食べて、毛づくろいして、さんぽして、また寝て……の毎日。
犬みたく、ご主人さまに忠誠を誓うことなんて、もちろんしない。
むしろ、「オレが主人だから!」というオーラ満載で、家中を我が物にするのだ。

 

それにもかかわらずだ。

 

人間はおろかにも、

「かわいい、かわいい」

と、彼ら彼女らを愛でてしまうのだ。

このなんにもしない生き物に!

 

その関係が、かれこれ9500年前から続いているらしい
古代エジプトでは、バステト、という女神さまにまでなった。
スフィンクスも猫のような顔だしね。

 

ネズミハンター、猫

歴史上、猫が人類に貢献したことって、3つぐらいじゃないか。

 

ひとつは、「ネズミ狩り」。

古今東西、ネズミは人類の天敵だった。
食料はかじられちゃうし、なにより病気をはこんでくる。

中世ヨーロッパでは、そのネズミが伝染させたペストが大流行して、歴史が変わったほどだ。

ネズミを発見して「キャー!」となるのは、わたし達の遺伝子に埋め込まれたトラウマが、刺激されるからかも。

 

そんな人類の敵であるネズミにも、敵わないやつがいる。
それが猫だ。
彼らは、ネズミ狩りのプロである。

イギリスの首相官邸には、

「首相官邸ネズミ捕獲長」

という、立派な公務まで与えられている。

ちゃんと俸給が支払われるらしくその額、年間100ポンド。

日本円にして、1万5千円ぐらい。
だから普通の飼い猫より、ちょっとは高いエサが食べられると思う。
ちなみにうちの猫のエサ代は、月700円ほどだ。

 

ことわざ頻出動物、第1位?

さて、ふたつ目。
人間の特権である「言葉」に多大な貢献をした!

日本語のことわざだけでも、たとえば、

「猫舌」

「猫にかつお節」

「猫にまたたび」

「猫ババ」

「猫をかぶる」

「猫なで声」

「借りてきた猫のような」

「猫の手も借りたい」

「猫の額ほどの」

「猫に小判」……

 

と、たくさんある。

ここまで、ことわざに使われている動物って、猫ぐらいだろう。

 

ちなみにお犬さまはというと、

 

「権力の犬」

「犬に論語」

「犬猿の仲」

「負け犬の遠吠え」……

 

あまり良いイメージがしない……。
猫のそれと違って、見下したようなのばっか。

あんなに人間どもにつくしているというのに……!

 

なんだかんだで猫とは・・・

最後。

まあ、なんだかんだで、人間に癒やしを与えてくれる最強の動物なのですよ、猫って。

あそこまで、造形的に完成された生き物って、他にいないんじゃないかな。

神さまも、猫を創造するさい、

「人間の美意識を刺激させよう」

と、思ったに違いない。

結果、そのとおりになってしまった。

ま、他の動物より飼いやすいし、キレイ好きだから基本無臭だし、

遊んでやると1時間ぐらいあっという間に過ぎちゃうし。

 

ちなみに、
「生まれ変わったら、猫と犬、どっちになりたい?」
なんて問いがある。

 

わたしは、もちろん、猫だ。
というか、ほとんどの人はそう答えるんじゃないかな。
自分勝手でなんにもしないのに、ちやほやされて生きたいじゃないですか。

 

もっとも、犬みたいに、ドラマチックなことは起こらないだろう。

だから、もっと「英雄的」なことをしたいなら、犬、かな?

 

〈文・伊東ふうが〉

 

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