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漱石山房記念館がついにオープン!書斎と生原稿が目の前に!

日本一の小説家、夏目漱石の記念館である『漱石山房記念館』が、2017年9月にオープンしました。

 

これまで漱石の記念館は、旧制五高の教師時代を過ごした『熊本漱石館』(熊本県)、

ロンドン時代を過ごした『ロンドン漱石記念館』(イギリス)はありましたが、

本格的な記念館は初

 

それも漱石の出身地たる牛込地区(現・新宿区)に、生誕150周年という節目の年にです。

 

満を持して、というよりも「ようやくできた!」という感じで、待ちわびていた人は多いと思います。

 

さっそく行ってきたので、感想を記しておきましょう。

多くの弟子が集い、晩年を過ごした漱石山房

記念館は、「新宿区立漱石公園」と隣接しています。

 

 

 

ここはもともと、漱石が晩年の9年間を過ごした「終の棲家」があった場所です。

 

漱石山房」と呼ばれたこの地で、彼は作家活動に精を出しました。

 

『三四郎』も『こころ』も、そして未完の大作『明暗』もすべてここで生まれたわけです。

 

また漱石は、慕ってくる弟子たちとも交流し面倒をみてやります。

さすが、根っからの教師気質!

 

毎週木曜日に漱石との面会が許されたので、いつしかそれは「木曜会」と呼ばれるようになりました。

 

この会には、芥川龍之介、内田百閒、寺田寅彦、和辻哲郎、安倍能成といった、その後の日本を代表する作家や学者が門下生でした。

 

若きエリートたちが集っていたわけですね。

もっとも個人主義者である漱石本人は、「議論はするけど、弟子なんか取らん!」と言ってたそうですが。

 

 

それから100年以上経ち、彼の功績を称えるため1976年(昭和51年)に「漱石公園」が完成。

 

そして今年(2017)、『漱石山房記念館』が完成しました。

 

 

美術館みたいというか、モダンな造りになっています。

 

再現された漱石宅の一部が、ガラス越しから眺められます。

 

この家もまた、コロニアル様式と和風があわさったようで、漱石の美意識が垣間見られますね(彼が庭に植えていたバショウがいたるところにあります)。

超小さい!でも集中して執筆できそうな文机

縦長の施設に入り、エントランスで観覧料(300円)を払うと、さっそく展示フロアへ。

 

まずは、再現された漱石の書斎がドーンと迎えてくれます。

(出典:新宿区立漱石山房記念館

第一印象は、「文机(ふづくえ)、ちっさ!

 

当時の日本人にあったサイズだったんでしょうね。

机に上にあるのは、オリジナルの原稿用紙(1行19字詰)と万年筆ぐらい。

 

その下には、ペルシャ絨毯が敷かれています。

まわりには座布団、火鉢、書棚、そして本の山……

 

執筆に集中できそうな環境で羨ましいですね。

 

書棚は大小合わせて5つあるのですが、左奥には和本らしきものが積まれていました。

あとは革張りの洋書が平積みで置かれており、まるで古本市のよう。

 

自筆の掛け軸以外は、洋風の壁紙と窓、そしてライトが吊るされており、まさに「和洋折衷」した独特な書斎。

 

ちなみに以下の写真は、実際の漱石の書斎。

 

再現度、高いですね。

インクのこぼれが生々しい!生原稿や愛用品の数々

2階のフロアは、通常展と特別展が行われています。

 

漱石作品の一節をキャンバスに印字して展示していたりと、「文学の美術展」といったようで新鮮でした。

 

それから、作品の初版本や当時連載されていた朝日新聞の切り抜きなどが、ショーケースに展示されています。

大正時代の朝日新聞なんてはじめて見たのですが、漢字にはすべてルビ(読み仮名)が打たれていたんですね。

 

次に、「開館記念所蔵展」と題して、漱石の自筆の原稿や手紙といった「生モノ」が展示されているフロアへ。

 

漱石愛用の長襦袢(和服)があったのですが、やはり現代の男性物よりひと回り小さかったです。

 

その隣には、思いっきりインクがこぼれた跡のある生原稿が。

 

つい笑みがこぼれるというか、彼の人間くささが感じられました。

 

なお、展示は季節ごとに変わるようなので、随時チェックしてみたいところ。

漱石ブックストアもあったら良いのに!

とまあ、大規模ではなく、ふらっと観覧できる作りになっていました。

 

1階には、最近よくあるような洒落たブックカフェがあります。

 

思いきり「吾輩の猫」押しで、施設付属の漱石本を読みながらお茶ができます。

日当たりが良さそうなところで、漱石も同じ太陽にあたりながら読書や日光浴をしていたと思うと感慨深いですね。

 

ただ、残念なのは、ブックストア、つまり本を売っていない点です。

 

せっかく記念の地まで来たのだから、「ここで漱石の本を買いたい」という人、たくさんいるはずなのに。

それも漱石だけではなく、芥川龍之介や寺田寅彦といった木曜会メンバーの本も取り扱えるはずなのになあ、ともったいなく思いました。

 

一応、地下1階には専用図書館が用意されてはいるんですけどね。

漱石生誕地と、猫と漱石の墓

記念館一帯、つまり早稲田・牛込界隈は、漱石の聖地です。

 

このように、漱石公園前の看板には案内図が。

 

江戸時代の夏目家は、この辺りを統治するほどの名主でした。

 

東西線早稲田駅を下りたすぐ近くには、漱石誕生を記念した石碑があります。

となりには「やよい軒」があるので、簡単に見つかるでしょう。

 

で、石碑がある通りは「夏目坂」と呼ばれ、名付け親は、漱石(金之助)の父・直克です。

また漱石の実家のあった「喜久井町」の地名も、漱石パパによるもの。

 

よほど権限があったわけですね。

 

『吾輩は猫である』のモデルとなった猫の墓も、先の「漱石公園」にしっかり残されています。

 

 

猫にしては立派なお墓ですね(うしろは漱石山房記念館の地下図書館)。

 

もっとも、夏目夫妻は猫が好きじゃなかったとか。

 

 

 

漱石自身のお墓は、早稲田界隈から北へすこしの雑司ヶ谷霊園(豊島区)にあります。

 

 

これもまた立派。

そしてこの霊園はご存知、『こころ』の舞台でもあります。

 

 

閑静な霊園には、猫たちがのんびりとうろついていますよ。

 

 

というわけで、漱石が実際に過ごした軌跡をたどると、100年以上前の偉人とは思えないほど、身近に感じられます。

 

それを元に漱石を読んでいくと、新たな発見に巡り合うことでしょう!

漱石山房記念館情報

・開館時間
10時00分~18時00分(入館は17時30分まで)

※漱石公園開園時間
4月~9月 …8時~19時
10月~3月 …8時~18時
※ブックカフェ利用時間
10時~17時30分

 

・観覧料(通常展)
一般300円、小・中学生100円
(団体20名以上の場合、一般150円、小・中学生50円)

※特別展等の開催時の観覧料は、内容により変わります。
※障害者手帳をお持ちの方は、受付にご提示いただくと観覧料が無料になります。

 

・アクセス

東京メトロ東西線早稲田駅:徒歩 約10分
東京メトロ東西線神楽坂駅:徒歩 約15分
東京メトロ有楽町線江戸川橋駅:徒歩 約20分
都営大江戸線牛込柳町:徒歩 約15分
都営バス(白61) 牛込保健センター下車:徒歩 約2分

 


詳細は公式サイトをご覧ください。

新宿区立漱石山房記念館

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