ESSAY, 海外

死者の日だってウェイしたい!〜ゆるゆるポーランド滞在記その1

ルームメイト曰く、今年のポーランドの冬は例年以上に寒くなるらしい。

何故なら小動物が早々に食物を溜め込み、かつ太り始めたのを見たからだというから、私はこの友人を育んだこの国を愛さずにはいられないのだ…。

 

そのようなわけで、筆者は大河も凍る極寒の東欧ポーランドに滞在している。

 

アジアを飛び出しヨーロッパに飛んだにもかかわらず、何故ポーランドというズレたチョイスなのかという私事はさておき…。

この連載ではこれから本格的な冬へと向かうポーランドの現地事情を、筆者周辺のニュージェネレーションの声と共にお届けしようと思う。

ポーランドってどこにあるの?

このように、ポーランドはヨーロッパの中でも比較的大きな国土を持つ国である。

ポーランドという国名の由来が「Pole」ポレ、という「野原、原野」を意味する言葉から来ているように、国土の多くが平野である。

 

普段の生活から得る身体感覚からして、ポーランドは驚くほどに坂が少ない。

たとえば、GoogleMapで近道と表示された道筋を辿ってみたものの、極悪の上り坂に案内され立ち尽くす…主に文京区湯島近辺で頻発するこの現象が、ここポーランドではまったくもって勃発しない。

(ちなみに私はこの現象をGoogleMap高低差詐欺と呼んでいる。)

 

 

素晴らしい、何故なら平野だから。

 

そして隣国はドイツ、チェコ、ウクライナ、リトアニアなど。

 

筆者の滞在地は「ヴロツワフ」と呼ばれるポーランド南西部にある中心都市である。

ヴロツワフからポーランドの首都ワルシャワへ向かう距離と、ドイツの首都ベルリンまでの距離が同じという、隣国ドイツの近さである。

 

 

この都市は歴史の流れと共に様々な国の領地となった。

ポーランド王国、オーストリア帝国、プロイセン、そしてドイツ…。

それ故、現在に至っても、ポーランド国内では珍しいほどにヴロツワフは国際色豊かな都市なのだ、というのが現地の友人の意見だ。

 

さて、ヨーロッパの白地図でドイツの位置を当てられても、その隣国がポーランドだとわかる日本人は何割に限られるであろうか。

ポーランドはまさに欧州を西と東に分ける天下分け目の平原国家なのだということを、これを機会に覚えてほしい。

国民の90%がキリスト教徒?

まことしやかな数値であるが、ポーランドの国民の90%以上がキリスト教を信仰していると言われている。

それ故、筆者がこの秋何よりも楽しみにしていたのが、11月2日の死者の日。万霊節である。

この日は伝統的なキリスト教の祭日であり、催事としてはメキシコの死者の日が世界的に有名である。

 

この日のことに関して「万霊節はハロウィンなのか?」とルームメイトに質問をしたが、そもそもハロウィンはポーランドの文化ではないという難しい顔。

万霊節は先祖と真剣に向かい合う日という点で、むしろ日本のお盆にとても類似しているのだそうだ。

 

ところで先ほど述べたキリスト教徒90%説であるが、真相は「両親がクリスチャンだから子供達もみんなクリスチャンなだけよ。」とのこと。

同じような事情をどこかの新興宗教で聞いたことがあるな…と思いつつ、現代の若者たちには未だ信仰心があるのか、と追って質問。

そして出た回答がこれ。

 

「キリスト教はただのファッションよ。」

 

な、なんだって。

 

いくら欧州で信仰心が薄れはじめていると言っても、キリスト教徒90%という数値を叩き出した最後の牙城ポーランドの未来を担う若者が、その類いの発言をしていいのだろうか…。

 

しかしこれは確かな実状のようで、曰く今のポーランドの若者たちにとって、敬虔なクリスチャンであるという自称はレッテル付けの一部でしかないのだという。

故に、もはや宗教は自身を飾るファッションと同じ…とういう回答になるらしい。

 

さらには、クリスチャンであるということに対して、古い、ダサいといったネガティブな感情をもつ若者も少なく無い。

上記の通り私が大変楽しみにしていた万霊節に関しても、そんなものに行くより友人とハロウィンしたいウェイ勢が増加しはじめているようだ。

 

現に日本ほどではないが、町中では仮装をした若者が、いくつかの飲食店でパーティを催しているのを見かけることが出来た。

 

どうやら欧州のキリスト教離れは、日本人が思っている以上に進行が進んでいるようだ。

 

さて、後編では墓地へと足を進めよう。

東欧の声を聞け!〜ゆるゆるポーランド滞在記その2

 

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死者の日だってウェイしたい!〜ゆるゆるポーランド滞在記その2

死者の日だってウェイしたい!〜ゆるゆるポーランド滞在記その3

死者の日だってウェイしたい!〜ゆるゆるポーランド滞在記その4

ゆるゆるポーランド滞在記:特別編①「知られざるシロンスクの歴史」

ゆるゆるポーランド滞在記:特別編②「ポーランドは本当に親日国?」

PROFILE

ナカイ レイミ

東京芸術大学修士課程在籍。好きが高じて斜めに走る。「ゆるゆるポーランド滞在記」連載中

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