ESSAY

政治と民主主義ってなーんだ? – 選挙を楽しむ方法

政治とは祭りだ。

祭りには面倒事がついてくる。

ゆえに政治とは、面倒なことだ。

 

さらに加えると、わたしは面倒なことが嫌いだ。

だから、面倒なことである政治が、大っ嫌いです。

 

 

なーんて、ちゃちな論法を張ってみたけど、

わたし個人に限っていえば、政治とはそんなもんだ。

これを誰かから、とやかく言われる筋合いはない。

 

だって、それがわたしの思想信条であり、体質的な好みの問題だから……

 

 

……とカッコつけて言いたいところであるが、

世の中ってのは、そういう「個人的思想」すら、なかなか受け入れてくれないらしい。

 

政治になると感情的になる人たち

政治、特に選挙に関しては、あーだこーだと言ってくる人が多い。

 

「政治(選挙)を、好き嫌いで判断するんじゃねえ! ちゃんと参加しろ!」

と、青筋立てて叫ぶ人たちもいる。

 

親戚や先輩どもから、わたしは何度、そんなことを言われただろうか。

 

そう押し付けをされたら、こっちもプチンッと来て、

「好き嫌いの判断を人に押し付けてるんじゃねーよ、コノヤロー!」

となるかあるいは、

「じゃあじゃあじゃあ、あなたはお酒が飲めない人に、飲め!っていうんですか?

自分は体質的には政治が合わないんですよ、それでも押しつけるんですか?

それってパワハラですよね!?」

と反論したくなったりもする。

 

けれども、そこをぐっとこらえなければならない。

近代人的かつ個人主義的な、「大人の対応」をせねばならない……!

 

上記のような政治参加を強制する人は、あまりに感情的になっている。

感情的になると、理性的(論理的)思考が、そもそもできない。

 

そのため、こちらが理屈っぽいことを返しても、あっちからしたら、

「何言ってんだこいつ」

となるし、同じように

「コノヤロー!」

と言い返したら、水掛け論のような感情のぶつかり合い、すなわち単なるケンカにしかならない。

 

だからこっちが譲歩して、

「はいはい、わかりました、わかりましたよ」

と赤ん坊をあやすようにその場をしのぐのが、大人の対応ではある。

 

それでもなぜ、人は政治になると、こうも熱くなってしまうのだろうか?

 

政治と祭りの構造から考える

理由は簡単。

 

冒頭に記したように、政治とは祭りだからだ。

政治の「政」が、

「政(まつりごと)」

と読むことからも、見て取れますね。

 

この2つは、太古から同じものだった。

五穀豊穣、つまり天候の左右も、畑が肥えるのも、子が生まれるのも、

すべて神に託すしかなかった。

 

そこで行われたのが、祭り。

 

祭りとは、巫女をはじめとする神職者を中心に、

「村総出」

でやらなければならない。

そして、村の未来を占っては、儀式に精を出したわけである。

 

政治選挙も、構造的にはこれと同じだ。

やっていることは、大昔のそれと、なんら変わりない。

 

祭りは村総出だから、基本的に全員参加。

なので参加を拒むものは、当然、白い目で見られるし、下手したら村八分である。

 

これを現代に当てはめると、

「なぜ政治(選挙)に参加しないんだ!」

となりますね。

もっと言えば、

「政治に参加しないのは、民主主義国家の権利、さらには人権を投げ捨てているに等しいのだよ、君!」

と唾が顔にかかるほど、叫んできやがる。

 

ま、村八分にしないだけ賢くなったとは思うけども、

そんな恥ずかしいことを赤くなって押し付けている時点で、

そんな人たち(ひいては日本人)の幼年期は、まだまだ終わってないのだなあ、と思う。

投票の自由と投票権と民主主義と・・・

周知のとおり、日本において選挙投票は義務ではない。

 

なので、投票に行かなくとも、罰則はない。

だからといって、

「投票しない権利」

なるものがあるかというと、そうではない。

 

そもそも日本国憲法には、投票の行使云々について、細かく規定されていないようだ。

たとえば、参政権について記された憲法15条は、こんな感じ。

第十五条 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。

○2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。

○3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。

○4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

e-Govより

う~ん、実にあいまいである……

そのため、法律関係者の間でも、「投票の自由」については意見が分かれるのだとか。

 

15条4項の、「投票の秘密は、これを侵してはならない」が一応、

「選挙権行使の自由」

を意味すると思う。

 

つまり、誰かの干渉や圧力を受けずに、「自分の意志で」投票することを保証しますよ! というわけだ。

 

さて、これをどこまで解釈しよう……?

 

……これを額面通り受け取ると、さっきの、

「てめえ選挙に行けよ!」

という強制は、違憲行為に当たるのではないのか……?

 

 

なーんてこと言うと、またコワイ人たちが、

「いやいやいや、それは、誰に投票するかが《自由》って意味だから! 勘違いするなバカヤロー! 選挙行け!」

と胸ぐらをつかんできそうだから、とりあえずひとつの解釈ってことで。

民主主義の上では……

もちろん、民主主義国家というのは、国民主権、つまり、

「国民が主人公!」

という原則で成り立っている。

あれですね、「みんなが桃太郎で、みんな一等賞」みたいな。

 

それを、1000000歩譲って、前提条件としよう。

それゆえ国民主権である以上、

「参政権」という武器を使い、

「国家」というフィールドで、

「政治」というゲームをやらねばならない。

 

でもみんながみんな武器を持っていたら危ないので、

「代表者を決めましょう」

となる。

 

そこで、その代表者を決めるカードが、18歳以降の国民に配布される。

それが、選挙投票権だ。

 

投票さえ終わってしまえば、わたし達は特にやる事はない。

ベンチ入りあるいは2軍3軍以下なので、

応援席(もしくはディスプレイの前)で、声援(もしくは野次)を飛ばすことになる。

「それでもわたし達は主人公なんだ!」

「間接的だけど、マウンドに立っているんだよ!」

なんていう、むなしい叫びを胸にしまいながら……

 

あっちを立てれば、こっちが立たない

上記の流れをまとめるとこうだ。

 

「国民主権」を前提とした以上、参政権は国民国家に必要不可欠なものである。

選挙投票は、それを証明する行為だ。

だから、わたし達は投票をしなければならない。

 

理屈の上では、たしかにそうなる。

 

一方で、憲法下で投票の義務化はされてはいないし、

「誰かに圧力をかけられてはいけない」

なんてことまで書かれている。

 

どう考えても、あいまいだ。

あっちを立てれば、こっちが立たない。

 

じゃあ、どうしよう?

 

選挙日というふわふわタイムを楽しむ方法

「ま、いろいろあるけど、とりあえず投票ぐらい行って政治を観戦するのは、損ではないんじゃない?」

政治選挙(および投票)に関するわたしなりの結論を一言でいえば、こんな感じだ。

 

投票場までの移動や時間をのぞけば、

むしろ得が多いんじゃないか(ちょっとだけね)。

 

選挙当日の日曜日、あの浮遊感って良くないですか?

わたしは割りと好きだなあ。

 

紅白幕でおおわれた小学校や公民館に入るのが、また楽しい。

独特の雰囲気で満ちてるじゃないですか。

で、渋い顔をしながら出口の時間別投票率を眺めてみる。

「うわ~大人なことしてる~」

と、主人公気分が味わえるだろう。

 

昼下がりの場合、そのまま外食をするのが良いでしょう。

おすすめは、中華料理屋さん。

そこで油まみれになった店内のテレビで選挙速報を眺めつつ、

ラーメンをすするのがまた美味い。

 

夕方から夜にかけては、ひとっ風呂浴びて、

選挙特番のテレビを流しつつ、ビールをぐいっとやるのが最高だ。

「なんだよ、あいつ負けっちゃったのか」

とか、

「お、自分が入れた党、勝ってるじゃん!」

とひとりつぶやくのも、また楽しい。

 

まるで、プロ野球を観るかのごとく!

 

……そう、政治とは祭りであって、祭りとはエンターテインメントなのだ。

つまり、政治とはエンターテインメントなのです。

楽しめるし、むしろ楽しんで良いものなのだ。

 

「そういう風に、政治を甘くみるな!」

なんてまた怒鳴ってくるおじさんがいたら、

「まあまあ、一杯どうぞ」

とビールでも注いであげたら良いと思う。

 

 

 

〈文/伊東ふうが〉

 

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