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哲学やるならソクラテス&プラトンから!独学者のための哲学まとめ

哲学を学びたい」という人は多いですが、基礎をおろそかにしがちです。

 

この学問は、前提を元にあーだこーだと論じていくものなので、基礎知識が絶対必要。

数学と同じですね。

四則演算ができないと微分積分はおろか、因数分解もできない。

 

だから哲学は意外にも、「積み重ね型」の学問なんです。

 

プラトンの「イデア論」がわからないと、アリストテレスの言う「形而上学」なんてチンプンカン。

 

ソクラテスキリスト教を理解しないと、ニーチェの言わんとしていることは分かりません。

 

カントの「定言命法」やらハイデガーの「現存在」なんてもってのほか!

 

なので「急がば回れ」、哲学を学ぶならまずは基礎、

つまり古代ギリシア哲学から固めていった方が、結果的に得なのです。

 

そこで今回は、ソクラテスおよびプラトンの思想を、ざっくり振り返ってみましょう。

自分のバカさを知り、「善く」生きたソクラテス

(Source: https://en.wikipedia.org/wiki/Socrates)

 

「ソクラテスさんほど頭の良い人はいない!って、神さまが言ってましたよ!」

 

ソクラテスはある日、そんなことを弟子から聞かされます。

 

真面目なソクラテスさん、この神託に悩んでしまいました。

 

「なんで神さまがこんなことを言ってんだろ。意味不明。だってわしは自分のことを知恵のない大バカ者だって、自分がいちばん自覚してるのに!」

 

そこで彼は、自問自答したのち、「これは神から課された闇のゲームなんだ!」と判断します。

論理展開はこんな感じ。

1.神「ソクラテスは世界一賢い」

2.ソクラテス「いや、自分は世界一バカだ」

3.しかし、神はけっしてウソを言わない。

4.だから1の神託には、何か深い意味が隠されているはず!

かくして彼は、この謎解きゲームをするために、あちこちに旅して、賢人とされる人々と「対話」をはじめます。

 

この「対話」こそ、彼の哲学および生き方の上で最重要なものとなります。

「知らない」ことを「知っている」=無知の知

ソクラテスは知識人たちと対話しまくります。

 

それも「いやいや、でもこうですよね?」と、ああ言えば上祐的な、相手の矛盾を突きまくる話術で。

これを「ソクラテス式問答法」といいます。

 

そして彼はこんな結論にいたりました。

「あいつら、頭いい頭いいって人から言われて、また自分自身のことも頭いい、って思っているようだけど、実際はそうじゃなかった。すくなくとも、わしと対話した限りでは!なぜって彼らは、自分の無知を知っていない。対してわしは、自分がバカであることを知っているもんね!」

これが、有名な「無知の知」というやつです。

対話を通して、「知らないことを知っている」のを自覚することができた。

 

彼はそんな真理を発見することができた「話し言葉」、すなわち「ロゴス」を最重要視します。

 

と同時に、ソクラテスは「善く」生きることを説きました。

今で言う「道徳的な生き方」というやつで、それを一生かけて完成させることこそ、哲学!

そう、彼は主張したのです。

 

この考えは、「復讐上等!」とする従来のギリシア人観とは正反対でした。

隣人愛を説くイエス・キリストとも通じてきますね。

 

で、やはりキリストと同じく、

風紀を乱す

という理由でソクラテスも裁判にかけられ、死刑に処せられます。

なぜソクラテスは、逃げられるのに逃げなかったか?

(Source: David – The Death of Socrates )

 

牢屋からは簡単に逃げられるし、弟子たちもそう説得しました。

しかしソクラテスは頑なに「NO!」

 

なぜ、脱獄を拒否したのでしょう?

こんな理由によります。

「たとえ理不尽な刑であっても、それはみんなが話しあって決めた法律と判決(=ロゴス)。それを拒否するのは『善』に反する。だから悪法もまた法なりと、刑を受け入れるのだ!」

ということで、毒ニンジンをあおいだわけです。

 

ソクラテス、享年70歳。

当時としては長生きでしたね。

「善く生きること」は革命的だった

以上の点から、ソクラテスはメンドーな理屈よりも、行動(対話)を重視した実践主義者だったといえます。

 

ここで言う「実践主義」とは、自分自身を見つめることに直結します。

つまり、「人間そのものとは何か?」。

 

そんなことを哲学上の問題としたのは、西洋史上ソクラテスが最初でした。

 

哲学は天空から人間界へと呼び降ろされた!

共和政ローマの政治家で哲学者のキケロは、ソクラテスをそう讃えています。

 

それまでの哲学とは、自然科学的な現象に関心が向かっていました(=天空)。

しかしソクラテス以降、自然ではなく、人間の内面や存在そのものにフォーカスした(=人間界)。

 

たしかに革命的だし、偉大ですね。

 

元軍人の無職ニートで、なぜか若い男の子とおしゃべりばっかして、権力者にケンカ売って、嫁に尿瓶に入った尿をぶっかけられても、

命をかけて「ロゴス」と「善」に生きた哲人だった。

 

西田敏行似の単なる恐妻家爺さんではなかったわけです。

『ソクラテスの憂鬱』シリーズを生涯書いたプラトン

(Source: https://en.wikipedia.org/wiki/Plato )

 

さて、そんな師匠ソクラテスの理不尽な死刑に、プラトンはブチ切れます。

この世界は間違っている!腐っている!あんな悪法がまかり通るなんて絶対おかしい!

ということで放浪と思索を続けました。

 

 

そしてある結論にいたります。

愚民どもが国家運営なんざしたら、国難に陥る。だから哲学する者こそ、支配者になるべきだ!

これが、「哲人政治」というやつです。

 

で、その哲人を生むには、学校を作れば良いとなり、できたのが「アカデメイア」。

これが現代でいう「アカデミー」の語源となります。

ソクラテス「書くなよ!絶対書くなよ!」 プラトン「……(いつ書こうかな)」

プラトンは多くの著書を残しました。

 

しかし、そこに彼自身は登場しません。

師匠ソクラテスを主役に、アリストパネスやアガトンといった実在の人物をキャラ(主に敵)にした、「哲学的物語」を記していったのです。

いわば「ソクラテスの○○」シリーズですね。

 

なので、現在まで伝わるソクラテスのキャラや言説は、大半以上はプラトンの創作ということになります。

 

一方で師匠ソクラテスは、

わしが言ってること、絶対に文字に残すなよ!

と戒めていました。

 

理由はいろいろあるのですが、簡単にいえば、

文字化して読書なんかすると、自分の頭で考えなくなる

というのがソクラテス爺の考えでした。

「生の対話至上主義者」でしたからね、彼は。

 

しかしダチョウ倶楽部のごとく、1番弟子たるプラトンによって簡単に破られます。

師匠が殺されて激おこ状態だったのもあるでしょう。

師匠の思想(というかオレの思想)を後世に残すには、文字にするしかない……

そのおかげで現代のわたしたちは、波乱万丈のソクラテス物語を堪能できるわけです。

 

そんなプラトン哲学の最重要ファクターは2つ。

先の「哲人政治」そして「イデア論」です。

イデアってなんだよ?

イデア論を簡単にまとめると、以下のようになります。

1.「イデア」という目に見えない「何か」がある。

2.それは感覚的世界(我々が目にする現実世界)にある個物の原型である。

3.たとえば「リンゴ」の形はそれぞれ違う。

4.にも関わらず、我々はそれを「リンゴ」と共通認識できる。

5.なぜそんなことが可能かというと、「リンゴのイデア」を「理性の目」で見ているから。

6.ゆえに、それぞれ形が違ったリンゴでも、共通認識できる。すべては、イデアが存在するから!

ようするに、「イデア」があるからこそ「現実のモノ」がある(認識できる)、とプラトンは考えたわけです。

 

言い換えれば、「現実のモノ」はすべて「イデアのコピー」なわけです。

愚民も詩人も死ねばいいんですよ!

 

以上のイデア論からすれば、詩作や音楽といった「芸術」は、現実をなぞったものとなります。

なので、「コピーのコピー」となる。

 

そこで、プラトンはまた過激なことを叫びます。

理性的判断がない愚民どもは、芸術なんかに触れるな!知もなくあんなもんを見てしまうと、イデアを見る目(理性の目)を鈍らせてしまう!

大長編『国家』では、

詩人(芸術家)どもは消えろ!この世界から追放じゃ!

ソクラテスを使って言い放ってさえいます。

それでもプラトンが必読書である理由

以上のようにプラトンには、「選民思想」的な要素が、十分にあります。

 

極論すれば「愚民は死ね!哲人だけ生きろ」ですからね。

 

「哲人政治」をそのまま応用すれば、ムッソリーニやヒトラーを頂点とするファシズムも肯定可能です。

なのでプラトンの著作は、師ソクラテスが言うように「愚民が読むとキケン」な書物なわけです。

皮肉ですね。

 

しかし、

西洋哲学とはプラトンへの膨大な注釈である

というホワイトヘッドの言葉どおり、哲学はプラトン(=ソクラテス)を起点としています。

 

「哲学の道はプラトンに通ずる」

とでも言いましょうか、やはりプラトンを学ぶことは、読み書き算盤なわけです。

建築で言えば、測量と掘削(地盤掘り)みたいなものですね。

 

そこからコンクリートを流しこんで、

ギリシア哲学のまとめ工事

をするのが、プラトンの弟子であるアリストテレスとなります。〈続く〉

 

参考図書/岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』岩波ジュニア新書

 

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