ESSAY, カメラ

「レンズ沼、海を越えて」 クラッシックカメラは心の処方箋、あるいはアヘン-1

ライカ スタンダード jupiter9 単独距離計 ナチス ソ連 レンズ沼

見てください!ドイツ・ナチス時代のライカスタンダード型に、ソビエト連邦製のユピテールレンズ9 85mmを付け、ライツ単独距離計を装着したこの美しい姿!もはやお茶道具の世界です。

 

じつは、ライツのこの単独距離計、覗いたときの視野が85mm相当なのです!ライカにユピテルを付けることはもはや天命なのです。

 

(ユピテールレンズは第二次大戦後にソ連がドイツから技術と設備を戦後賠償で接収して作られたものです。 そのため、このレンズは戦前のドイツのライカと同一規格で作られています。 こうして時代も国も違うカメラとレンズが、見事に使用できるのです。)

 

なぜ、自分がこんなにカメラマニアになってしまったのか、もはや理由を思い出すことはできません。

ただ1つ言えるのは、青春の葛藤の苦しみを、カメラ収集によって逃げ切ったわけです。僕も中古カメラウィルスの感染者の1人というわけです。

 

大判カメラを携えて、現実からの逃避行!金策に売られるエルマー

そんなわけで、僕はいま、今度は現実から逃げるためにフランスにいます。 留学という大義名分を掲げて。

 

留学をするにあたって、親族一同からの餞別というあぶく銭を手に入れた僕は、出国の前に勇み足で代官山のカメラ屋さんに行きました。パパママごめんなさい。 代官山の丘の上のマンションの1室、泣く子も黙る伝説の店、Foto:mutoriさんです。

まるで往年の名作フリーゲーム、ネフェシエルの海岸洞窟の人魚ルーのお店!!

 

それくらいの、レアかつ高価な品揃えを誇り、世界中からリッチで熱心なマニアたちがこの店に集います。

 

まだ開店から数年しかたっていないのに、その名はカメラ世界に轟いています。 ムトリをしらないカメラマニアはモグリと言っても過言ではありません。

 

ライカ スタンダード jupiter9 単独距離計 ナチス ソ連 レンズ沼

(エルマーのついたライカスタンダード)

 

そこで、僕の秘蔵っ子レンズ、1936年製のノンコーティング エルマー50㎜/f3.5 を2万円で下取りしてもらい、ほぼ同じ年代の旧独製大判レンズ、ワイドアングル・ドッペル・アナスティグマット・ゲルツ、通称ワイドダゴールを○○万円で手に入れました。

 

このレンズはすごい! 57判という大きな大判フィルムでつかうレンズなのに、シノゴ(4×5)という一回り小さなフォーマットのカメラでも、28㎜相当という広角です!

 

それも戦前の時代で!! 57を45で使うわけですから、周辺減光もなく、周辺の描写も非常によいとのこと! ダゴールって名前も非常にかっこいいです。

 

ムトリの店主曰く、あのスーパーアンギュロンよりも、よほど良いレンズとのこと!

 

ダゴール 大判レンズ ワイドダゴール レンズ沼

(ワイドダゴールをリンホフボードにつけました。 シャッターはアメリカ製、少々シャッター速度が遅くなっていますが、25分の1以下は正常に動き、高速域は一律1段遅くなっているだけなので十分使える骨董品です。 でも、いずれシャッターはコパルかコンパー製に移し替えたいと思っています。)

 

ハヤタカメララボで木製大判カメラを購入!ほかにも色々購入!

続けて、浅草の伝説のカメラ修理職人、早田カメラの系列店、ハヤタカメララボにて新品同様のタチハラフィールド・シノゴセット1式(フジノン標準レンズ付き!)を手に入れました。

 

そして僕は、1つの決意をしました。

 

今回の留学のメインカメラはこの大判カメラにする!!シノゴを撮りまくる! と。

 

タチハラ フィールドカメラ 大判 4×5 シノゴ(すで廃業してしまいましたが、かつて東京の職人さんが1つ1つ手づくりで作っていたカメラです。 木材は北海道の樹齢200年以上の朱里桜を使っているとか。)

 

そのために、大判カメラから三脚から現像機材から写真用薬品まで、トランクに詰め込んで持ってきました。

無謀なことです!!

最大限荷物を運べる飛行機ということで、わざわざタイ航空でバンコク経由でフランスへ行った僕の荷物のほとんどは、カメラとその機材、そしてフィルム現像道具でした・・・。

お陰でほとんど服を持っていくことが出来ずに、いま、フランスで寒い思いをしているわけです・・・・。

タイ航空 預け荷物

(カメラたちのせいで重量制限ギリギリの図)

 

【タイ航空は欧州までの片道チケットが夏でも7万円台、そして預け入れ荷物は30kg以内であれば、荷物の個数制限なし!!という素晴らしい航空会社です。 ただ、僕ときは中継地のバンコク空港で機材トラブルの為、深夜に航空会社が手配してくれた空港の外のホテルに泊まることになりました。 振替の飛行機は翌早朝ということもあって、寝坊癖のある僕にとっては、とてもとてもスリリングな1泊でした。 ホテル自体はNOVOTELというフランスのホテルチェーンの良いところでした。】

 

さて、そんな辛い思いをして運んできたフィルム現像セット、ようやく日の目を見る時がやってきました!!

生活するのが忙しいなどという謎の理由を掲げて、3カ月もアパートの棚の中にしまわれていた機材を使う時がやってきました。

大判フィルム 現像 コンビプラン

これはコンビプラン45Tという、大判フィルム現像専用の現像タンクです。

この現像タンク、中野フジヤカメラの用品館の店員さんに勧められて、おもわず買ってしまったもの。定価は4万円ほどですが、デッドストックを中古扱いで8000円で購入しました。 高いけど安い!

 

シノゴも各種サイズ・ガラス乾板フィルムも簡単に現像できる優れもの! といった道具ですが、ガラス乾板ってそもそも誰が現像するんだろう・・・・。

 

次回!簡単自宅で大判現像!

 

ほんとうに簡単に大判現像できました。

でも少々コツは必要だったので、次回はそのコツも書いていこうと思います!

 

 

PROFILE

タイヘイ

桃栗三年柿八年、わたしはきっと五十年。 現在芸大休学生、もうすぐ休学を休みます。 好きな物は歴史とクラシックカメラ

タグ: , , , , ,

  • REVIEW, カメラ

    自宅で簡単、大判フィルム現像!~現像編~

    2018-07-01

    READ MORE >

  • SPOT, 海外

    エカテリンブルクの見どころ・オススメ観光スポット11選!

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, 海外

    安くて美味しい!! ロシアの大衆食堂『スタローバヤ / Столовая』のごはんと使い方

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, カメラ

    自宅で簡単、大判フィルム現像!~現像編~

    2018-07-01

    READ MORE >

  • SPOT, 海外

    エカテリンブルクの見どころ・オススメ観光スポット11選!

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, 海外

    安くて美味しい!! ロシアの大衆食堂『スタローバヤ / Столовая』のごはんと使い方

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, カメラ

    自宅で簡単、大判フィルム現像!~準備編~

    タイヘイ

    READ MORE >

  • REVIEW, 海外

    安くて美味しい!! ロシアの大衆食堂『スタローバヤ / Столовая』のごはんと使い方

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, カメラ

    自宅で簡単、大判フィルム現像!~準備編~

    2018-04-03

    READ MORE >

  • RICOH GR2 レビュー

    REVIEW, カメラ

    憧れの高級コンパクトカメラRICOH GRⅡをついに購入!そのメリットとデメリット

    2017-12-14

    READ MORE >

  • REVIEW, カメラ

    今時デジカメを買う理由やメリットなんてあるのか?スマホと比較して考えてみる

    2017-11-22

    READ MORE >

  • REVIEW

    アーロンチェアとコンテッサ・バロン、どっちが良い?使ってみた感想とメリット&デメリット

    2017-11-16

    READ MORE >

  • REVIEW

    世界を分析する力を! 『ものぐさ精神分析』2-書評

    2017-10-17

    READ MORE >

  • REVIEW

    世界を分析する力を! 『ものぐさ精神分析』1-書評

    2017-10-15

    READ MORE >

  • REVIEW

    認識・仕事論としての『「松本」の「遺書」』2-書評

    2017-10-14

    READ MORE >

記事一覧 REVIEW