ESSAY, 海外

フランスでバター不足!糖質制限ダイエットブームから考える

※追記(2018年 1月)

 

最近、日本ではバターコーヒー(完全無欠コーヒー)が流行っていますよね。

 

僕も日中の集 中力が下がらないバターコーヒーは大好きで、朝ごはんの代わりにほぼ毎朝のんでいます。

 

とくにここフランスはバターの質が良くて、しかも安い! なのでバターコーヒーが毎朝の素敵な習慣になる・・・・はずが、最近そうもいかなくなってきました。

 

それは、バター不足です。

 

日本ではバター不足でスーパーの棚が空になる異常状態がフツーになって久しいですよね。 その1つが、日本独特の乳業のシステムと、輸入バターに対しての規制と関税にあるとい われています。

 

実はここフランスでも、いま猛烈なバター不足になっています!それも日本以上のバター 不足です! まさか、バターの国フランスでバター不足なんて、いったいどうしたんでしょうか?

糖質制限(低糖質・高脂肪食)ダイエットブーム

バターコーヒーとは文字通り、コーヒーにバターを溶かし、良く攪拌しただけの飲み物です。 『シリコンバレー式完全無欠コーヒー』の名前で一躍有名になりましたね。

実はこれ、考え方としては糖質制限ダイエットに非常に近いのです。

糖質制限といえば今、一世を風靡している、運動も空腹も感じずに簡単に痩せれるダイエット方法です。

MEC 食やケトン食、アトキンス式ダイエットなども有名です。CM でおなじみライザップ も実質は糖質制限ダイエットです。

 

これらに共通するところは、低糖質・高脂質(高たんぱく質)の食事を推奨することです。 かつては高脂質な食事こそが健康の敵!

 

とされていましたが……

 

最近では、実は脂肪は体に良くて、本当の敵は糖質、特に砂糖!糖質を食べた後の血糖値の 急激な上昇こそが、肥満やいろんな病気を引き起こす。糖質は健康の敵だ、という考えが広 まってきています。
(嘘か本当かは後世の歴史家のみぞ知る!)

 

そこで、なるべく糖質(お米やパン、砂糖など)を食べず、その分不足したカロリーを脂質 やタンパク質から摂取するというのが糖質制限食です。

 

いま、この考えに基づいた糖質制限ダイエットが、日本のみならず世界中で大流行していま す。

そう、ここフランスでも!

 

かつては、フランス人はバターをたくさん食べるのになぜ健康なのだ?おかしい。と言われ、 フレンチパラドックスという言葉まであったのにね。

菜食主義食 VS 糖質制限食

またヨーロッパではヴィーガンやベジタリアンも増えています。ヴィーガンとは極端な菜 食主義のことで、彼らは肉は勿論のこと、魚も卵も乳製品も一切口にしません。

 

ベジタリアンはいわゆる菜食主義で、適度な量の卵や乳製品、そして人によっては魚を口にすることはありますが、肉は一切食べません。

彼らは、自身の健康は勿論、アニマルライツ(動物の権利)や環境保護(肉食は環境に対する負荷が強い)の為という意識のもとで行う人が多いです。

 

ヴィーガンと糖質制限食とは、まるで真逆の食習慣です。しかしヴィーガン・ベジタリアン と糖質制限食、どちらも適切に行えば健康効果があるように思います。(どちらも普通食より食後の血糖値が上がりづらい)

 

そしてそのどちらも両立した食事をしようとすると、どう頑張っても栄養不足に陥り、死に かけます笑(筆者体験談)

 

その中で、バターやチーズといった乳製品は、緩やかな菜食主義食と糖質制限食、そのどち らにも属する食べ物なので需要が減らず、今回のバターの品不足の一因になったのではないでしょうか?

車は急には止められない。バターも急には増やせない

フランスでは数年前、規制の緩和や好天候に恵まれてバターの原料となる生乳の生産量が 過剰になりました。当然価格は下落。生産量を減らしていたところに、こんどは干ばつと世 界規模の糖質制限ブームがきてしまったのです。

 

さらに、中国をはじめアジア圏の食の西洋化など本来バターを食べなかった地域でもバタ ーを食べるようになり、需要ひっ迫価格高騰!

 

けれど、一度減らした生乳の生産量は、簡単には戻すことが出来ません!! なぜなら、仔牛から乳牛を育て増やす必要があるからです。

 

今から仔牛を育てて乳牛に成長した頃には、もうバターブームは終わっているかもしれない!?

スーパー壊滅!バターの飢餓輸出か、はたまた買いだめか!?

10 月の半ばくらいから、ナントのどこのスーパーに行っても、バターの棚はほとんど空っぽです。

かつての日本のオイルショックの時のように、市民のバターの買いだめも1つの原因だそうです。

 

また、バターの中間業者がスーパーに売らず、より高い価格で売れる海外へ輸出している為 とも言います。今回、スーパーはバター業者との価格年間契約によって販売価格を簡単に変 更できない事が問題を大きくしています。

わずかにバター売り場に残っているのは、スプレッドバターや値段が高く量の少ない高級 品などです。

お店によっては、辛うじて無塩バターが残っているところもあります。

そしてやはりマーガリンは鬼のように在庫があります!!

やはりトランス脂肪酸の問題なのでマーガリンは嫌われているんでしょうか(生産調整し やすいからかもしれません)

 

 

(写真は観光で訪れたサンマロという港町のスーパー。やはりここでもバター棚はスカスカ)

フランスはバターをたくさん食べる食文化。どうなる食文化??

フランスではバターを 1 人あたり、年間 8 キロも食べているそうです!年間 5 万 6 千キロカロリーにもなります! そして年々フランスのバターの消費量は増加しているとのこと!

 

フランス料理と言えば、クロワッサンやケーキ、肉のソテー、さらにパンに塗って食べるな ど、料理にバターをふんだんに使います。まさに、バター無くしてフランスの食は成り立たない。

それがいま、どこのスーパーに行っても手に入らない!手に入るのは価格の高い専門店く らいでしょうか。

パン屋さんのクロワッサンも以前より小さくなってきた、聞きます。これからフランス料理 はどうなってしまうのでしょうか?

貧乏人はマーガリンを食え!?

もしかしたら、かつてのナポレオン時代のように、貧民は合成バター(マーガリン)を食べ るような時代になるのかもしれません。

 

ただ、来年のバター価格の改定や生産量の増大、糖質制限ブームの沈静などで来年にはバターは棚に戻ってくるのではないかと思っています。 なぜならフランスは農業大国。今、輸出に回している分を国内に回せばよいのですから。

 

※追記(2018 1月) 昨年末から徐々に品薄が解消され始め、今年に入り以前と同じ量のバターを商品棚に見かけるようになりました。 ただ、少々値上がりしたよう感じます。

 

その点、日本は生乳は生産できても飼料はすべて輸入に頼っているし、輸入バターに高い関 税をしています。 今は度重なる緊急輸入で事なきを得ていますが、日本のバター不足のほうが本質的な解決 の道のりは長いかもしれません。

 

 

PROFILE

タイヘイ

桃栗三年柿八年、わたしはきっと五十年。 現在芸大休学生、もうすぐ休学を休みます。 好きな物は歴史とクラシックカメラ

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