ESSAY, 美術

団子よりなお一輪の花を 「ターナー 風景の詩(うた)」によせて

京都文化博物館で「ターナー 風景の詩(うた)」が開催中だ。と、地下鉄の広告で知った。

 

絵でも見に行くか。それはなんとも唐突な思いつきだった。

 

柄にもないことをするからか。

行こうと思ったその日は、3月らしからぬスコールに見舞われた。

靴を濡らしつたどり着いたら、こともあろうに休館日。

引越し先の下見のついで、というのがやはりダメだったんだろうか。

(ちなみに物件近くのスーパーがもやし1袋50円という石油王仕様だったため、引越しは見送ることにした。)

 

明くる日。

バイトのシフト組みの都合で、5時間も空きになってしまった。

今度は革靴に、スーツまで着込んでいる。

ターナー展も、これなら入れてくれるはずだ。

 

 

改心の甲斐あってか、今度は薄暗い照明にガッカリさせられずに済んだ。

一般料金にされそうなところだったが、あと数週間は学生でいられる。

たった300円の差だけれど、使えるものは親でも使わなくてはならない。

「イギリスの顔」、ターナー

会場に入って、まずはウィリアム・アランによるターナーの肖像が観客をお出迎えしてくれる。

全体で、展覧会は次の4章からなっている。

 

「第1章 地誌的風景画」

「第2章 海景 —海洋国家に生きて」

「第3章 イタリア —古代への憧れ」

「第4章 山岳 —新たな景観美を目指して」

 

イギリス美術研究の第一人者による構成だそうで、ターナーに対するイギリス人の本気が感じられる。

絵を見てめぐっているだけで、ターナーその人だけではなく、彼の生きた19世紀の空気感までを追体験できる。

ちなみに2020年から、20ポンド紙幣にターナーの自画像が使われるらしい。

まさにイギリスの顔、というわけだ。

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PROFILE

佐藤宗大

栃木生まれ、京都在住。ブラームスの流れる喫茶店を開きたい。

https://twitter.com/T_Sato_0626

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