ESSAY

アートを教えてくれた、THE ドラえもん展

2017年11月から、六本木にて、『THE ドラえもん展 TOKYO 2017』が開催される。

 

テーマはたったひとつ、

「あなたのドラえもんをつくってください」

 

最先端を走る現代アーティストが、

『ドラえもん』

をテーマにして作品化するこの試み、実は2回目である。

 

第1回は2002年、大阪サントリーミュージアム天保山で開かれた。

当時小学生だったわたしも、胸を高鳴らせて見てきた。

 

今からもう15年も前か……

なんて感慨深くなると同時に、あの時のことは、今でも強烈に覚えている。

なぜなら、わたしにとっての、はじめての「芸術体験」だったからだ

藤子不二雄という最強のふたり

藤子不二雄両先生は、わたしにとって師匠だ。

 

いま知っている文化的知識や興味も、もとをたどればこの2人に直結する。

特にA先生の『まんが道』は何回何回も、くり返し読んだ。

F先生は、『SF短編集』がお気に入りだったな。

 

2人の影響で、SF小説やブラックユーモアといった海外文学、

それとマグリットをはじめとするシュルレアリスムの作家に興味を持ったのだ。

 

また、当時は藤子不二雄ファンサイトがいくつもあって、

BBS(懐かしい響き!)で古参ファンの先輩方とよく語り合った。

大山のぶ代時代だった『ドラえもん』も、もちろん毎週観ていた。

 

そんな中、

「『THE ドラえもん展』なる展覧会が大阪で開催する」

との一報。

 

というわけでわたしは、武蔵の国からはるばると、大阪へと向かったのである。

ドラえもんがアートになってしまう、「すこしふしぎ」体験

この展覧会では、

奈良美智、村上隆、森村泰昌、佐藤可士和、蜷川実花、日比野克彦……

といった第一線のアーティストが参加していた。

もちろん、大半は知らなかったけども。

 

フランスのバカラまで出品していて、

「へー、こんなバカ高いガラスメーカーがあるんだー」

と、子供心に思ったものである。

 

宣伝ポスターで使われていた奈良美智の絵は、かなりショッキングだ。

ドラミちゃんをモチーフにしているわけだが、まあ怖いこと。

奈良美智

『ジャイアンにリボンを取られたドラミちゃん』

発想とタイトルがすごいよなあ……

 

というかこれ、下手したら当時のネット上にたくさんあった、

有名漫画作品の改変パロディになってしまう。

でも、つい惹き込まれてしまい、それから奈良のファンになってしまったのだ。

 

 

ほかは、よくわからない作品ばかりだった。

特に写真系や現代アート然している抽象作品は、意味不明……

 

けれども、本当に楽しかった!

未知なるモノに出会った新感覚と、好奇心の連鎖反応。

いま思い出すだけでも、ワクワクする。

 

会場用BGMは、ピアニストの小曽根真がアレンジした『ドラえもんのうた』のジャズバージョンだった。

それがまた良かったな。

物販で買ったCD、今でも大切に保存しているし、

たまに聞いてあの時の感覚を思い出したりしている。

THEドラえもん展 2017 は、どんな感覚で楽しめるだろう?

そんなわけで、わたしの「初アート体験」は、すばらしいものだった。

 

それをきっかけに、アートの世界にハマっていった……わけだけども。

反比例するように、いつしか『ドラえもん』も観なくなって、

わたし自身もドロドロとした大人になってしまった。

 

純粋に感動することが、なくなっていったのだ。

 

まさにF先生のSF短編集にありそうな感じ。

『劇画オバQ』に描かれているような、

「もう子どもでいられなくなる悲しみ」

とでも言うんでしょうかね。

 

それでも、11月からはじまる『THE ドラえもん展 TOKYO 2017』はホントに楽しみだ。

 

もう昔みたいに、「新しい体験」として、ワクワクすることはないかもしれない。

けれども、この15年の間につちかった目と知識で、

新たな発見や感動が得られると思うのだ。

 

というわけで行ってきたら、レポートしますね。

 

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