海外

どきどき!初・生マーラー!inフランス – 3(終)

←前々回 どきどき!マーラーその1

←前回  どきどき!マーラーその2

 

今回で最終回!

前々回、どきどき!マーラー!-1 からの続きになります。(前回は補足で終わってしまいました)

 

コンサートホールはまるで円形闘技場!

 

コンサートホールがまるで円形闘技場!

コロッセオやパンテオンといった、古代の象徴的な建物はみな円形ですよね、ヨーロッパ文明って

 

そういえば日本の伝統的な劇場のスタイルって、四角形と直角を基調としてますよね。劇場に限らず。

 

クラッシックコンサートの客層は万国共通?

 

 

ほとんどのお客さんが、高齢者~中年。

こういうところはやっぱり日本と変わりませんね。クラシック名物、曲の合間の咳ラッシュ!、フランスでも鳴り響くのでしょうか。

 

そして、遠くから、マーラーの演奏の練習の音が聞こえます笑 いま練習しとるん?そういうものでしたっけ、あら?

 

高所恐怖の3階最前列席!

早目についたので、まだほとんど席は空いています。もちろん全予約席です。

30分ほどC君とダベったあとに、解散してそれぞれの席へ着席。

 

まるでスターウォーズの元老院議場みたいなコンサートホールです。
3階はとても高さがあり、しかも最前列、手すりはそんなに高さがさなく、結構怖かったです。

 

手すりは真鍮製!なんかちょっとだけ手すりから生乾きの匂いがします。

 

左隣の席は老夫婦、右隣はスキンヘッドの大男と妊婦さん。さすがカップル文化だぜ!

ぼくはひとり!! C君は僕よりもはやくチケットを取ったので、二階席でした。

 

(演奏直前)

演奏のはじまる直前、3階席から下をのぞき込むと、スマホの光がちらほら。

 

マーラーの生きている時代からも、ベートーベンの時代からも想像つかなかったろう光景だよなぁ!

当時は泥酔してコンサートに来る人が多かったそうですが笑

 

 

 

いよいよ公演スタート!!

 

前座がベートーベン レオノーレ序曲第3番 !!

 

初めて聞いた曲だったんですが、すごい良かったです!!!

 

(が、そのあとのマーラーにいろんな意味で圧倒されたので、良かった!という記憶しかないです笑)

 

自分の知らなかった曲を生演奏で聞いて圧倒されて、大好きな曲になる!これもまたコンサートへ行く醍醐味ですよね!

よく覚えてませんが!

 

目の前の空間すべてが共鳴し、音の塊となって僕の顔に飛び込んできます!

 

顔を手すりの外に突き出すと、音の塊に飛び込んだような感覚に圧倒されます。

舞台と距離があるおかげで、1つ1つの楽器が主張が薄れて、まさにオーケストラが1つの楽器となっているのです。

 

そして、3階席からはオケ全体の動きを1つの生き物として俯瞰してみることが出来ます。

 

 

3階席、穴場かもしれません!安くて、いい音で、しかも俯瞰して見れる。

 

 

そういえばマーラーって指揮者として、ベートーベンの楽曲を数多く演奏していたんですよね。

だからこそベートーベンを前座に持ってきたんですね。

 

そしていよいよ

 

本命マーラー交響曲5番!!!

 

 

 

マーラー 交響曲五番 第五楽章 で走馬燈走る!!!!

 

第1楽章 葬送行進曲

冒頭、最初のソロトランペットが、いきなり上ずったような、滑ったような調子で始まりました!!!!!

 

 

もう、頭の中でえ?え?え?っと軽いパニック。

 

 

一番大事なところなのに!出だしの勢いが全ての印象を決定づける交響曲5番第一楽章でいきなり外しやがった!!

と、妙な汗が背中から湧き上がるのをこらえて、ぐっとにらんで、戦犯演奏者を探しをします。見つけました。やつか!

 

 

しかしよく考えたら、こんな広大なホール全体に響き渡る音を、たった一人で吹くんだから、大したお方です。

 

 

普段は名演奏の録音ばかり聞いていて僕はそれしか知りません。

さらに、今日は演奏者からとても遠い3階席。これも個性と思い楽しむことにしました。そしてまもなく、全体の協奏もはじまりました。

良い意味で背筋がゾクゾクしはじめ、音の塊として三階席に飛んでくる第一楽章を楽しんでいたら・・・・・

 

 

ゴトッ!  

 

 

え?何の音!?

 

 

ふたたび  ガタッ! 

 

 

 

あっ!楽譜台に楽器ぶつけちゃった音だ!!!え!?え!?えーー!??

 

これ、もしかしてハズレ???  あとでC君になんて取り繕いながら感想言ったらいいんだろう?うわー!

 

第2楽章

なんだか焦ってるようなテンポ、いろんな音の節々が激しい?

 

そしてまた楽器をぶつけちゃった音・・・・・あらら、これ完全にハズレだったかもしれない。。

 

 

完全に意気消沈。

 

 

学生チケット8ユーロが急に高く感じられてきた。

 

右隣の夫婦が曲が終わる前から雑談開始。うん、気持ちわかるよ。

加えて演奏の合間に咳の嵐、万国共通だね、これは。

 

第3楽章 スケルツォ

もうがっかりして、肩の力ぬいて、3楽章をだらっと聞く

 

しかし、

 

あれ?

 

 

あれっ!

 

 

すごくいい!!

 

 

実は今まで3楽章をちゃんと聞いたことがなかったかもしれません。魅惑の4楽章への繋ぎ程度にしか捉えてなかった。

 

それが、ものすごい心地い…。

2楽章で気になっていた節々の音の強さも、この場面では耳に心地い効果をもたらしてくれます。びっくりしました。

 

小気味いいピチカート!!

 

 

第3楽章ってこんなに楽し気で鮮やかだったんだ!!

 

 

もしかして、さっきまでのアレは振りだったのでしょうか?

 

最後はまるで激情のように力強い演奏!

 

第4楽章 アダージェット

 

ああああああああああああ

 

 

ものすごい、幸せ、絶頂とでもいうのんでしょうか、

これを表す良い言葉が見つかりません。

 

無理矢理言葉にするなら、

 

肉体が天国へ浮遊していくようでした。

 

 

もう、目は一糸乱れぬオーケストラの姿を追わず、内観を求めて目をつむり、ただただ幸せに浸っていました。

 

 

最初の拙そうな演奏は、このための振りだったんだろう!と確信しました。完璧でした!!!

 

 

そしてその幸福の余韻もつかぬま、

第5楽章 ロンド・フィナーレ

が、はじまりました!4楽章から、連続して、まったく一瞬の隙間もなく始まりました。

 

 

鮮やかで明るい、初夏の朝のような音が、耳に飛び込んできました!

 

バーンっと僕の意識が、夢物語から帰ってきました。

 

 

甘い夢を、突然起こされたような気分です!!

 

 

しかしそれは決して不愉快な気分ではなく、快活さを伴った、明るい目覚めです。

 

明るく、気持ちいいい、突然の朝の目覚め・・・、そしてふと、夢の中で体験した幸福を思いだそうとするような朝の感覚・・・。

 

 

そう感じているうちに、なぜか自分自身の過去の事、いろんな出来事が、映像になって目の前を流れ始め、

 

 

 

半泣きになり、

 

 

 

真鍮の手すりに手をかけ、頭を垂れ、唯々うなだれてしまいました……

 

 

 

あれは走馬燈でした。。。。。。。

 

 

 

それも、幸福な走馬燈

 

 

 

きっと僕の魂は一度ここで生まれ変わったんだ、

もしくはシュタイナーの言うところの別次元(アストラル界)へと意識が行って帰ってきたんだ。

 

そう思ってしまうほどの体験でした。

 

 

普段、家でよく聞いているマーラー五番でまさかこんな体験をするとは思いもしませんでした!!

 

 

 

 

ロワールフィル、ほんとうにすごい!!!!!!!!

 

 

 

 

あれ、なんか最後、まるで宗教の勧誘みたいな内容になってしまいましたね!

 

 

 

乾杯

半泣きのまま、熱烈拍手! 隣のスキンヘッド男の拍手がうるさい、けれど今の僕は菩薩なのだ。すべてを許したもう。

 

出口ではC君と合流し、お互い口々に第三楽章からのすばらしさを絶賛し、そして最初のひどい演奏はもしかしたら狙いだったんじゃないかと口角を飛ばしながら議論しました。

 

日本の学生オケで演奏している彼の耳にも、最初の2楽章までは、とてもひどく聞こえたそうです。

 

 

そして博学のC君が、マーラーの解説をしてくれました。

 

あの音はトラウマの音で、あれは天使の来る音、そしてこの曲は一度地獄に沈み天国へ上っていく筋書きなんだ!と。

まさにおっしゃる通り、ほんとうに地獄から天国に上っていったようでした。

 

 

地獄を見たからこそ、天国がより心地いい。

 

 

あれ、これって、躁鬱の転換期のときのスーパーハッピー感覚に似てる!笑

 

 

 

ともあれ、最後は本当に素晴らしい演奏でした。書いても書いても書き尽くせないほどです!!

クラシックコンサートに赴くのも、たまには良いものです!

 

そしてフランスは25歳以下はとてもチケットが安く買えます!

みなさんもフランスに来られる際は、クラシックコンサートなどいかがでしょうか?

知らない曲でも、知り尽くしているはずの曲でも、思わぬ感動、発見があるかもしれません!!!

 

ONPL (ロワールフィル)  http://www.onpl.fr

 

 

ロワールフィルとは関係ありませんが…

 

PROFILE

タイヘイ

桃栗三年柿八年、わたしはきっと五十年。 現在芸大休学生、もうすぐ休学を休みます。 好きな物は歴史とクラシックカメラ

タグ: , , , ,

  • REVIEW, カメラ

    自宅で簡単、大判フィルム現像!~現像編~

    2018-07-01

    READ MORE >

  • SPOT, 海外

    エカテリンブルクの見どころ・オススメ観光スポット11選!

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, 海外

    安くて美味しい!! ロシアの大衆食堂『スタローバヤ / Столовая』のごはんと使い方

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, カメラ

    自宅で簡単、大判フィルム現像!~現像編~

    2018-07-01

    READ MORE >

  • SPOT, 海外

    エカテリンブルクの見どころ・オススメ観光スポット11選!

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, 海外

    安くて美味しい!! ロシアの大衆食堂『スタローバヤ / Столовая』のごはんと使い方

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, カメラ

    自宅で簡単、大判フィルム現像!~準備編~

    タイヘイ

    READ MORE >

  • REVIEW, 海外

    安くて美味しい!! ロシアの大衆食堂『スタローバヤ / Столовая』のごはんと使い方

    2018-06-24

    READ MORE >

  • REVIEW, カメラ

    自宅で簡単、大判フィルム現像!~準備編~

    2018-04-03

    READ MORE >

  • RICOH GR2 レビュー

    REVIEW, カメラ

    憧れの高級コンパクトカメラRICOH GRⅡをついに購入!そのメリットとデメリット

    2017-12-14

    READ MORE >

  • REVIEW, カメラ

    今時デジカメを買う理由やメリットなんてあるのか?スマホと比較して考えてみる

    2017-11-22

    READ MORE >

  • REVIEW

    アーロンチェアとコンテッサ・バロン、どっちが良い?使ってみた感想とメリット&デメリット

    2017-11-16

    READ MORE >

  • REVIEW

    世界を分析する力を! 『ものぐさ精神分析』2-書評

    2017-10-17

    READ MORE >

  • REVIEW

    世界を分析する力を! 『ものぐさ精神分析』1-書評

    2017-10-15

    READ MORE >

  • REVIEW

    認識・仕事論としての『「松本」の「遺書」』2-書評

    2017-10-14

    READ MORE >

記事一覧 REVIEW